大型機械加工で使用される設備の種類
製造業の中でも、エネルギー、建設機械、工作機械、産業プラントなどの分野では、数メートルを超える大型部品の切削加工が求められます。こうした大型部品は一般的なマシニングセンタや旋盤では対応できず、より強固な剛性と広い加工ストロークを持つ専用の大型設備が必要になります。
本記事では、代表的な大型切削加工設備として「五面加工機」「横中ぐりフライス盤」「大型旋盤」の3種類についてご紹介します。
五面加工機(門形マシニングセンタ)
大型機械加工の現場で最も多く導入されているのが、五面加工機です。門形構造を持つこの機械は、巨大なワークを床面に据え付けたまま、主軸ヘッドをXYZ軸方向に動かして上面・正面・側面といった複数の面を一度の段取りで加工できるのが最大の特徴です。ワークを反転させたり、位置を何度も調整したりする必要がないため、段取り替えによる精度低下を防ぐことができます。
高剛性の門構造と強力な主軸ユニットにより、切削時の振動を最小限に抑えながら重切削を行うことができる点も、五面加工機の強みです。また、アングルヘッドを自動交換して角度を変えた加工を行うといった、柔軟な対応も可能です。
横中ぐりフライス盤(横中ぐり盤)
大型部品の内部や深部の加工に力を発揮するのが横中ぐりフライス盤です。主軸が水平方向に配置され、先端に取り付けられた中ぐりバーを前後に送り出すことで、深い穴や筒状形状の内径を高精度に加工できます。五面加工機が外形の加工に強いのに対し、横中ぐり盤はワーク内部の孔や面を正確に仕上げることに特化しており、両者を併用することで、より高い完成度の加工が可能になります。
テーブルは前後左右だけでなく回転方向にも移動できるため、ワークを固定したまま複数の面を加工することができます。また、主軸が伸縮する構造により、深穴加工や内部ボーリング加工を行う際も、切削剛性を保ったまま安定した精度が得られます。
大型旋盤(立旋盤・横旋盤)
丸物で直径の大きいワークを加工する場合に用いられるのが立旋盤です。ワークを水平に固定し、重力方向に安定させて回転させるため、振れやたわみが少なく、安定した切削が可能になります。
一方、長尺ワークの加工には横旋盤が用いられます。ベッドが長く、シャフトやロールといった細長い部品を支持しながら加工できるのが特徴です。CNC制御によって、段付き形状やテーパ形状などの複雑な形状加工にも対応できます。
当社の大型加工設備
大型機械加工センターを運営する応原工業株式会社では、オークマ製の高精度5面マシニングセンタを2台、門形マシニングセンタを2台、OKK製の門形マシニングセンタを1台保有し、複雑形状の加工や高精度を求められる大型部品にも対応可能です。
最大加工サイズは2,500mm×5,000mmと、大型ワークにも余裕をもって対応できる環境を備えています。
当社の中・大型サイズのステンレス 機械加工の事例
機械装置のベット(SS、170×750×2,800)
本事例は、製缶時に溶接の熱変異が発生している部分がありましたが、後工程の組付けに支障が出ないよう、歪み部が加工用クランプで過度に拘束されないよう配慮しつつ、慎重に機械へセットして加工を行いました。
中・大型サイズのSUS303の機械加工のことなら、大型機械加工センターにお任せください!
大型機械加工では、高精度と効率を両立できる設備が欠かせません。当社では、最大2,500mm×5,000mmまでの大型ワークに対応し、高品質な大型部品加工を実現しています。
大型機加工品の調達でお困りごとがございましたら、ぜひ当社にご相談ください。
応原工業では、大型5面加工機やワイヤ放電加工機を駆使し、粗加工から仕上げまで一貫対応する体制を整えています。お気軽に相談ください。
中・大型サイズの鋳物加工
大型・大物サイズのマシニング加工
【最長6m】長尺加工(長物加工)
ワイヤ放電(ワイヤカット)加工
大型ワークの測定受託サービス
リバースエンジニアリング
