中・大型サイズの金型部品の機械加工
金型部品は、量産品の品質を左右する“要”とも言える存在です。成形品の形状を形づくるだけでなく、取り付けや位置決め、さらには動作制御まで担う金型部品には、極めて高い精度と信頼性が求められます。
本記事では、金型部品の加工における重要なポイントや、当社が得意とする中・大型サイズの金型部品の加工実績についてご紹介します。
金型部品について
金型部品とは、金型を構成する各種部品の総称であり、製品の形状をつくるための成形部だけでなく、取り付け、位置決め、動作を制御するための複雑な機構部品を含みます。プレス金型・プラスチック金型・ダイカスト金型など、用途に応じてその形状や構成は多様ですが、どの金型においても、それを構成する金型部品の精度が、最終製品の品質を左右する極めて重要な要素であることに変わりはありません。
特に、自動車や電子機器、医療、航空機といった高品質が求められる分野では、金型部品に対してミクロン単位での寸法精度や平面度、直角度、位置度、面粗度などの厳密な仕様が要求されます。また、中・大型の金型になると、部品自体も大型化するため、機械加工における精度維持と熱処理による寸法安定性が一層重要になります。
金型部品は一般的な機械部品と異なり、一品一様で特注製作されるケースがほとんどです。これは、金型そのものが大量生産の源であり、製品の品質を決定づける“生みの親”としての役割を担っているためです。わずかな誤差が製品の不良や量産時のトラブルに直結するため、あらゆる工程において妥協のない加工が求められます。
金型部品の加工におけるポイント
金型部品の加工では、完成品の品質や生産性に直結するため、いかなる工程においても高い精度と専門性が求められます。特に重要となるのが、「精度」「材質」「工程」「コスト」の4つの観点です。
1. 精度
金型部品のわずかな誤差が製品精度にそのまま影響するため、ミクロン単位での精密な加工が欠かせません。さらに、単に寸法を守るだけでなく、どの部位に高精度が求められるかを正確に理解し、その要点を押さえた加工を行うことが、高性能な金型づくりの基本です。
2. 材質
金型部品には高硬度・高耐摩耗性の「難削材」が多く使用されるため、素材特性を熟知した上での切削条件設定や工具選定が重要となります。単純な加工技術だけでなく、材料に応じた適切なアプローチが品質の安定につながります。
3. 工程
複雑形状や組立精度が求められる金型部品では、旋盤加工、マシニング加工、研削加工、放電加工など、複数の加工を段階的に組み合わせる必要があります。当社ではそれぞれの加工特性を最大限に活かすことで、スムーズかつ精度を損なわない工程設計を実現しています。
4. コスト
金型は数千~数万個の量産を前提とするため、部品一つの耐久性や再現性が全体コストに大きく影響します。そのため、当社ではご予算に合わせながらも、精度・機能のバランスを見極めた最適な加工方法をご提案し、費用対効果の高い製品づくりを支援しています。
当社の中・大型サイズの金型部品の機械加工
当社は、金型部品の機械加工において、□100程度の小型サイズから対応可能で、特に□300程度の中型サイズから最大で2,500×5,000までの大型加工において強みを発揮しています。
当社の中・大型サイズの金型部品の機械加工事例
試作プレス金型(ZAS、130×1,100×1,600)
ZASは切削性に優れ、深物加工にも適した低融点合金で、今回は上型・下型・ブランクホルダーのセット加工を行いました。当社ではマシニングセンター5台を保有しており、これらを活用して同時加工・短納期対応が可能です。
プレス金型(上型と下型の同時加工、鋳鉄、800×1,420)
オークマの門型マシニングセンタを用いて上型・下型を同時加工することで、リードタイムを短縮できました。当社は同サイズの大型マシニングセンタを複数保有しており、短納期対応が可能です。
中・大型サイズの金型部品の機械加工のことなら、大型機械加工センターにお任せください!
本記事では、金型部品の概要と加工事例についてご紹介いたしました。
大型機械加工センターを運営する応原工業では、□100の小型部品から最大2,500×5,000の大型金型部品まで、幅広いサイズ・材質に対応した高精度な機械加工を提供しています。1個からでも対応いたします。
広島県を拠点に中国・四国エリアをはじめ、全国に対応しております。中・大型サイズの金型部品の加工については、ぜひ当社までお気軽にご相談ください。