クロムモリブデン鋼(SCM材)の中・大型サイズの機械加工
こちらの記事では、クロムモリブデン鋼(SCM材)の機械加工の概要と実際の加工事例をご紹介いたします。
クロムモリブデン鋼(SCM材)とは
クロムモリブデン鋼(SCM材)は、機械構造用合金鋼の一種で、炭素鋼にクロム(Cr)0.9%-1.5%とモリブデン(Mo)0.15%-0.45%を添加した低合金鋼です。クロムとモリブデンの添加により、鋼中の結晶格子が強化されるため、高い機械的強度と靭性を持ちます。高温での強度や耐摩耗性にも優れており、高負荷や高温環境での使用に適しています。
切削加工性や溶接性も比較的良好で、特にSCM415は、クロムモリブデン鋼の中で最も高い切削加工性と溶接性を持ちます。一般に、SCMの後に続く数字が高くなるほど加工性は低下しますが、熱処理性は向上します。
クロムモリブデン鋼(SCM材)の種類
クロムモリブデン鋼(SCM材)には、SCM415、SCM418、SCM420、SCM425、SCM430、SCM432、SCM435、SCM440、SCM445、SCM822といった種類があります。
中でも、SCM435はクロムモリブデン鋼の中でも、とくに硬度が高い合金です。SCM435は、優れた焼入れ性を持ち、空冷のような遅い冷却速度でも焼入れが可能です。これにより、材料の中心部まで均一に硬化させることができ、歪の発生も抑えられます。
SCM435は高い機械的性質と靭性を兼ね備えており、割れにくいため加工性も良好です。また、美しい仕上げが可能で、溶接性にも優れていることから、美観が求められる製品に広く採用されています。さらに、500℃前後の高温環境下でも強度が維持されるため、高温高圧の条件下で使用されることが多いです。
当社の中・大型サイズのクロムモリブデン鋼(SCM材)の機械加工
当社では、クロムモリブデン鋼(SCM材)材の切削加工について□100程度から対応可能ですが、特に□300程度の中型サイズから、最大2,500×5,000までの加工を得意としています。1967年の創業以来50年以上、中・大型サイズのクロムモリブデン鋼(SCM材)の加工を行っており、高精度加工品を提供しています。
中・大型サイズのクロムモリブデン鋼(SCM材)の機械加工の事例
治具(SCM、80×100×200)
こちらは、治具(SCM、80×100×200)です。穴加工多数の加工になります。
Z面の厚み公差が+0.01で指定されていましたので、フライス加工後に平面研削盤で研磨加工を行いました。当社では400×600サイズの平面研削盤を保有しています。
中・大型サイズのクロムモリブデン鋼(SCM材)の機械加工のことなら、大型機械加工センターにお任せください!
こちらの記事では、クロムモリブデン鋼(SCM材)の概要と、加工事例についてご紹介いたしました。
大型機械加工センターを運営する応原工業では、5面加工機を2台、その他の門型マシニングセンタを3台保有しています。□100から最大、2,500×5,000までのサイズを1個から製作可能です。
広島県から中国・四国エリアを中心に全国対応しています。中・大型サイズの精密加工のことなら当社までお気軽にご相談ください。